WorkaholicなLoserの日常

日頃のモヤモヤを私見で突っ込んでいく

書店の営業

「マンボー」なる単語を夜のニュースで聞いた時にはなんだか面白そうなことを政府も始めたものだと思ったが、「蔓延防止措置」のことだったのか。こりゃ不謹慎だわ。

 

 さて、新年度を迎えた世間ですが、書店業界ではいきなり繁忙期です。店舗もそうだし、営業も。

そもそも書店で営業って何言ってるんだ⁇という読者もいると思う。自身もこの業界に入る前は同じ感覚だったので、今回は記せる範囲でどんなことをしているかをお伝えしたい。

 

 まずは顧客。基本的には大学をはじめとする教育機関公共図書館。大学の中でも教員(研究室営業)、図書館(図書館営業)が主たる営業先になるし、研究センターといった部署も予算を持っているので、ここもターゲット。同じく研究という点で(図書予算のある)企業からの問い合わせもあるし、行政機関からも注文がある。

 

 次に業務内容。商品は勿論書籍だが、専門職から読み物までジャンル・分野は幅広い。教員の研究分野を先に調査し、オススメのものや売りたいもののカタログを持って説明する。大学図書館なら基本的に学部構成に合わせた選定リストを作ることもある。

 

 商品について説明すると、もっとややこしいことになる。

先ず「書籍」。冊子体と電子体があるし、電子体であれば出版社独自のプラットフォームでの提供と、アグリゲータと呼ばれる所謂サードパーティのプラットフォームでの提供が主になる。客先の導入しているプラットフォームでその電子版が搭載されているかの確認や、独自プラットフォームとサードパーティプラットフォームで提供する価格が変わることもある為、客先のニーズに合わせて調査する必要もある。

図書館だと「定期刊行物」や「データベース」、「各種システム」も重要な商品となる。

  • 「定期刊行物」:外国雑誌や和雑誌。年間契約での提供が主
  • 「データベース」:様々な定期刊行物を電子化して一所に集めたもの。年間契約での提供。
  • 「各種システム」:セキュリティゲートや持ち出し防止装置、図書館の蔵書検索システム、リモートアクセス関連システム等等、色々ある

 

 最後に年間スケジュール。ざっと下記の感じ。

4月:教科書販売

5〜7月:研究室、図書館営業(教員推薦図書などの申請期間に合わせて動く)

8月:教科書販売の準備

9月〜10月:教科書販売、外国雑誌の年間契約

11月〜1月:データベースやシステムの契約更新

2〜3月:年度末予算消化に向けた研究室、図書館営業。教科書販売の準備

 

尚、教科書販売期間中は(会社方針によって差異はあるが)営業担当が現場監督するケースが多く、搬入から会場設営、販売から撤収まで肉体労働が続くので服装は私服であることが圧倒的。自身はこの期間中はよく学生に間違えられ、学生誘導している時に大学職員から「列をはみ出さないで」と注意されることも。今春は今のところその轍は踏んでいないが、どうなることやら…

 

 世の中には「そんな仕事あるのか!!」というものが多くあるが、自身が身を置く書店業界の「営業」も間違いなくそのうちのひとつだろう。転職の際には「なぜ斜陽業界と揶揄される業界に行くのか」とか「店に行けば会えるのか」とか、色んな質問を受けたことからも裏付けられていると思う。教育に関わりながら多種多様な商品を扱いたいと思う人にはおすすめな業界である一方、勿論かなりのマルチタスクを強いられるので、生半可な気持ちでやっていける業界ではないことを最近は特につくづく思う。

 

 さて、来週も引き続き肉体労働が続くので、この週末は雨の予報もあるしゆっくりと寛ぎますかね。

以上、のぎでした。またの週末にお目にかかりましょう。